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上島 豊
PSE Book, p.69 - 82, 2005/03
さまざまな困難性を伴う発見探査的大規模シミュレーションを支援するためには、超並列計算機(スーパーコンピュータ),ファイルサーバ,バックアップサーバ,解析サーバ,データベースサーバ,Webサーバなどの各種専用サーバを連携して作業を行わせる大規模データマネージメントシステムが必要である。このシステムにより、多くの作業が自動化され、WebからのJOBの投入監視,リアルタイムモニタリングやシミュレーションデータのデータベース化を実現できる。このようなデータマネージメントシステムは、大規模シミュレーションの出力から創造的な結果を見いだすためにより効率的にかつ研究者の負担を小さい環境を提供するためのものであり、その意味で問題解決環境:PSEと呼ぶのにふさわしいシステムである。
辻田 祐一; 今村 俊幸; 武宮 博*; 山岸 信寛*
計算工学講演会論文集, 7(1), p.159 - 162, 2002/05
われわれは、MPI(Message Passing Interface)で定められた並列I/O機能であるMPI-I/O機能が異なる計算機間でも自由に利用できるライブラリ、Stampi-I/Oを開発した。Stampi-I/Oは、計算機間のI/O処理を計算機間のデータ通信と計算機内のI/O処理に分離し、前者を既に開発した柔軟な通信基盤を用い、後者を計算機ベンダが提供するMPI-I/Oライブラリを活用することにより実現した。Stampi-I/Oでは、(1)ローカルI/OとリモートI/Oの動的な切替え機能,(2)通信中継プロセスを用いた柔軟な通信基盤,(3)MPI-I/OプロセスによるリモートI/O機能や(4)計算機の仕様に依存しない柔軟な実装を実現している。このStampi-I/Oを、数種類の計算機を用いて基本機能の性能評価を行なったところ、期待されている性能を達成することができた。
上原 均; 田村 正典; 横川 三津夫
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS2002)論文集, p.73 - 80, 2002/01
大気大循環シミュレーションなどの地球変動研究のための超大規模科学技術計算向けプラットフォームとして、地球シミュレータが現在開発されている。分散メモリ型並列計算機である地球シミュレータ上でプログラムを効率的に実行するには、プログラム内部での通信処理の効率化が必要で、そのためにも事前の通信性能評価は不可欠である。地球シミュレータでは通信用ライブラリとしてMPIが提供されることから、MPIの通信性能を詳細かつ多角的に計測するMBL1/MBL2を用いて、地球シミュレータの計算ノード上におけるMPIの性能計測と評価を行った。
辻田 祐一; 今村 俊幸; 武宮 博*; 山岸 信寛*
Recent Advances in Parallel Virtual Machine and Message Passing Interface, p.288 - 295, 2002/00
われわれは、MPI(Message Passing Interface)で定められた並列I/O機能であるMPI-I/O機能が異なる計算機間でも利用できるライブラリ、Stampi-I/Oを開発した。Stampi-I/Oは計算機間のI/O処理を、既に開発した柔軟な通信基盤と計算機ベンダが提供するMPI-I/Oライブラリを活用することにより実現した。Stampi-I/Oでは、(1)MPI-2に準拠した共通のAPI(Application Program Interface)からローカルI/OとリモートI/Oの両方が行なえる機能、(2)通信中継プロセスを用いた柔軟な通信基盤、(3)MPI-I/OプロセスによるリモートI/O機能や(4)計算機の仕様に依存しない柔軟な実装を実現している。利用者は、Stampi-I/Oを用いることで各計算機の仕様にとらわれることなく自由にMPI-I/O機能が利用できる。このStampi-I/Oの基本機能の性能評価を行なった結果、期待されている性能を達成することができ、さらにStampi-I/Oの柔軟な実装の有効性が確認できた。
上原 均; 津田 義典*; 横川 三津夫
情報処理学会研究報告2001-HPC-87, 2001(77), p.67 - 72, 2001/07
代表的なメッセージ通信APIであるMPIには、基本仕様としてのMPI-1と、拡張仕様としてのMPI-2がある。MPI-1で定義される関数のベンチマークは幾つか提案されているものの、MPI-2で定義される関数のベンチマークプログラムは少なく、その計測項目も限られている。そこでわれわれはMPI-2の、特に並列I/O(MPI-I/O)と片側通信(RMA)の性能を詳細に測定する MPI Benchmark program Library for MPI-2(MBL2)を構築した。本稿ではMBL2概要と幾つかの計算機のMPI-2性能データを報告する。
辻田 祐一; 今村 俊幸; 武宮 博*; 山岸 信寛*
Proceedings of 5th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics (SCI 2001), p.402 - 407, 2001/07
MPI-2に基づいた分散並列I/OライブラリStampi-I/Oを、MPI及びMPI-2に基づいた異機種計算機間通信ライブラリStampiの通信基盤を用いて開発した。Stampiは異機種計算機環境におけるメタコンピューティングを実現するために開発された通信ライブラリである。計算科学における多くのアプリケーションは、一台の計算機では扱いきれない大規模なデータを用いるようになってきている。異機種計算機環境において、このような大規模データの効率的操作のために分散並列I/Oライブラリが必要となってきている。このような状況を踏まえ、Stampi-I/Oは開発された。本稿では、Stampi-I/Oを開発した目的、Stampi-I/Oのアーキテクチャや性能測定試験での結果を報告する。
上原 均; 津田 義典*; 横川 三津夫
並列処理シンポジウム(JSPP2001)論文集, 2001(6), p.91 - 92, 2001/06
代表的なメッセージ通信APIであるMPIには、基本仕様のMPI-1と拡張仕様のMPI-2がある。MPI-1向けのベンチマークは幾つか提案されているが、MPI-2向けのベンチマークは少なく計測項目も限られている。そこでMPI-2(特に並列I/O(MPI-I/O)と片側通信(RMA))のベンチマーク(MBL2: MPI Benchmark program Library for MPI-2)の構築を試みた。
辻田 祐一; 今村 俊幸; 武宮 博*; 山岸 信寛*
情報処理学会研究報告2000-HPC-84, p.43 - 48, 2000/12
われわれは、異機種並列計算機環境における分散並列I/OライブラリとしてMPI-2の仕様に基づいたStampi-I/OをStampiの通信基盤を用い開発した。科学技術計算分野でのアプリケーションでは大規模なデータを扱う傾向により、そのような大規模データを効率的に管理するために分散並列I/O機能が必要となってきた。このような状況に対し、複数の計算機間に効率的に分散して大規模データを管理するために、分散並列I/OライブラリStampi-I/Oを開発した。今回は開発の基礎となる機能のみに限定した開発及び性能評価を行った。本稿では、Stampi-I/Oを開発する目的、システムの構成,現状,性能評価テストそして将来の構築予定について述べる。
清水 大志; 君塚 肇*; 蕪木 英雄
計算工学講演会論文集, p.361 - 364, 2000/05
大規模数値シミュレーションの分野において並列計算は必須の手法となっているが、並列計算機ではプロセッサ間のデータ転送の記述等、逐次計算機では見られなかったプログラム作成の難しさがある。物質、材料、生体などの分野において需要の高い大規模分子動力学法の並列化においてはシミュレーションの計算手法と並列化の手法が密接にかかわるように書かれ、非常に複雑になってしまうことが多い。並列分子動力学ステンシルは、これらを分離することで、見通しの良いシミュレーションプログラムを作成する枠組みを提供するものである。また、この枠組みに沿ってプログラミングを行う際に利用可能な部品をライブラリとして用意した。
上島 豊; 荒川 拓也*; 佐々木 明; 横田 恒*
JAERI-Data/Code 99-051, p.23 - 0, 2000/01
日本で100並列を越える並列計算が、実際に行われるようになったのは、つい数年ほど前からである。日本原子力研究所(原研)のIntel製Paragon XP/S 15GP256那珂研究所、75MP834関西研究所は、本格的超並列計算機の先駆けとして光量子、核融合の大規模、超並列計算を目的に導入されている。これらの計算機を使って超並列計算を行うためは、多くの超並列計算プログラムが移植や新規作成されている。これらのプログラムは、従来、ワークステーションやベクトル計算機上で動作していたものをそのまま移植したものか、並列用にアルゴリズムの変更を施したものである。異なる計算機及びオペレーティングシステム(OS)のもとでのプログラム開発には、細心の注意とノウハウが必要であるが、Paragonに到ってはユーザ数が極めて少ないため、ノウハウの集積と環境の標準化が大変困難な状況にある。原研関西研究所におけるParagon XP/S 75MP834上での超並列計算プログラム開発において得た情報をParagon上でのスカラー超並列プログラム開発ガイドとしてJAERI-Data/Code 98-030にまとめた。本報告書では、超並列計算機が持つ特殊性が際立つ入出力周りにテーマを限定して、より高速かつ安定に入出力を実行できる方法をFortranとCのプログラム実例入りで解説する。
岡本 正雄; 滝塚 知典; 和田 善之*; 岡田 高光*
JAERI-M 7337, 31 Pages, 1977/10
BSAMレベルを使用した特殊入出力ルーチンを開発した。これは6つの基本ルーチンから成り、FORTRAN-HのCALL形式で呼び出すことができる。テストの結果、FORTRAN-Hの通常入出力、非同期入出力よりもcpu-time、core-timeともにずっと早くI/Oを処理することが確かめられた。この特殊のルーチンは、核融合・プラズマ物理のI/Oをひんぱんに行う大規模計算機シュミレーションのために非常に役立つものと期待できる。